九州電力は11日、定期検査中の玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)3号機で、協力会社の男性作業員(39)が放射性物質を体内に取り込む内部被曝(ひばく)をしたと発表した。九電の原発での内部被曝は、川内原発(鹿児島県薩摩川内市)を含めて初めて。放射性物質は一定期間、体内にとどまるが、今後50年で受ける内部被曝量は現時点で0.02ミリシーベルトと微量という。
九電によると、作業員は他の2人と防護服、マスク、手袋を着用し、10日午前に原子炉容器上部ふたの手入れの作業をした。昼前に作業を終え管理区域外へ出るため、体表面の放射性物質を測定したところ、顔付近に汚染が確認された。その後、専用測定器で詳しい調査を続け、11日に内部被曝と判断した。
作業員の体調に問題はなく、被曝量も国への報告が必要となる線量(5ミリシーベルト)や自然に浴びる1年間の平均線量(2.1ミリシーベルト)より低いものの、九電は事態を重く受け止め、原因究明を進めるという。